流氷カフェ
2009 年 「第36 回 日新工業建築設計競技」 提案コンペティション 応募作品 
第36 回の課題は「浜辺の棲処」。浜辺に建築して、自然とどう共生することかが問われた。 
北海道に住む身なので夏の浜辺ではなく流氷が押し寄せる厳寒の浜辺での建築の提案を考えた。
カナダのアイスロードのように北海道でも流氷の季節には凍った水面上を馬橇が行き来し、そこはまさしく生活の場として活用されていたという。
しかし近年の温暖化の影響か流氷の量は減少しており、流氷はプランクトンを運ぶ役割も果たしているため漁獲への影響も懸念されている。
そこで氷原の上に流氷を積み上げてつくるカフェを提案した。
覚悟をもった人間だけが辿りつけるカフェである。流氷のきしむ音の中でコーヒーをすするとき人々は自然に対して何を思い馳せるだろうか。氷が溶けたらその年の店仕舞いとなる。
溶けて崩れるさまはどんなデータよりも人々の環境への関心を呼び起こす。この建築は浜辺を棲処へ再び蘇らせるための小さな一歩である。
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2009 年 「第36 回 日新工業建築設計競技」 提案コンペティション 応募作品

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