Yusuke Otsuka's profile

駆けるミドリ、蒸気を纏う

駆けるミドリ、蒸気を纏う
2007 年 「かわさき臨海部デザインコンペ」 実施コンペティション 優秀賞 受賞作品 
 Bird view
 Section
川崎市川崎区千鳥町の工場地帯の真ん中を突っ切る、この蒸気供給管をどのようなデザインで有意義なものにできる か。 
私の提案は管を植物のパネルで覆い、この工場地帯の真ん中を駆ける「ミドリの壁」を創造することである。 
供給管自体には操作を加えず、管の形状に合わせ植物のパネルでサンドすることにより緑化する。
このことにより全長1キロに及ぶ巨大な空気のフィルターがこの地区に生まれることになる。さらにこの壁には供給管の通らない部分に「窓」と「アーチ」が設けられている。
「窓」の部分は地上から高い位置に設け、周辺の鳥たちの水浴び場や巣を作れる場となる。
「アーチ」の部分にはベンチが設けられ、バックにフロストガラスの壁を立てることによって列車の音が軽減された憩いの場となる。 
そしてこの壁の最大の特徴は「蒸気」を発散することである。決められたスケジュールで、内部の蒸気供給管に設けられた弁が開放され、壁は霧に包まれたような様相を見せる。
このことは植物に水分を与えるほかイベント性を兼ね備えることによって市民の関心を引き、結果この蒸気供給管の理解を深めてもらうきっかけとなる。 
環境問題に人々が直面する中本当に必要なのは不安をあおる情報ではなく、この「ミドリの壁」のようなラディカルなアプローチである。 このプロジェクトが人々の地球の明日を考えるきっかけになれば幸いである。
駆けるミドリ、蒸気を纏う
Published:

駆けるミドリ、蒸気を纏う

実施コンペティション受賞作品

Published:

Creative Fields